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正則高校(東京都港区)生徒の感想・質問と答えをアップ
 

「貧困と野宿を考える」授業を全国の学校で行なっています

学校や先生方に授業の実施を呼びかけます

↑2001年9月11日・第1回の授業(大阪市西区の大阪YMCA国際専門学校・国際高等課程・ボランティアクラスにて)

▼今までの授業の履歴・生徒の感想文へのリンク

▼釜ヶ崎フィールドワークを行なっています


▼わたしたちは、釜ヶ崎(あいりん地区)を中心に、日雇労働者、野宿者への支援活動を行っています。いま、小・中、高校などで先生との共同作業によって野宿・貧困問題の授業を行なっています。

▼野宿者、いわゆるホームレスの数は1990年代以降に増化しました。「ネットカフェ難民」や「派遣切り」がそうであるように、全国で多くの人が貧困、そして野宿へ至るようになりました。
 野宿や貧困の問題が深刻な社会問題だという認識が定着するようになったにもかかわらず、野宿・貧困問題についての啓発活動はあまり行なわれていません。全国の学校、あるいはフリースクールでもそうです。その結果、市民やこどもたちの多くが「あの人たちは仕事が嫌でああして道で寝ているんだ」「その気になれば仕事なんてあるのに、捜そうともしていない」という偏見・差別を変える機会がないままになっています。

▼深刻な問題の一つは、野宿者への(主に若者による)襲撃です。野宿者襲撃は、殺人事件でもない限り新聞にも出ませんが、一般に知られているよりもはるかに頻繁にあり、悪質なものです。エアガン襲撃、花火の打ち込み、投石、消火器を噴霧状態で投げ込む、ガソリンをかけて火を放つ、殴る蹴るの暴行などが全国で起こっています。殺人などの襲撃を行った少年たちは、「ホームレスは臭くて汚く社会の役にたたない存在」「無能な人間を駆除する、掃除するって感じ」などと語っています。襲撃する少年たち(襲撃者には大人も少女もいますが)のこうした内面ももちろん問題ですが、まず何よりも一般に浸透している野宿者への偏見・差別を解消しなければ襲撃を阻止することはできません。


▼ しかし、学校での野宿・貧困問題の授業はあまり行なわれていません。そこには、一つには「野宿や貧困は結局は自業自得ではないか」という偏見が大きく影響いているのかもしれません。また、先生方自体、野宿問題について知らないし、知ろうとしても情報が得られないという事情があります。野宿・貧困問題にかかわっている有志と、学校の先生たち有志との共同作業によって授業を持つことできれば、大きな意味を持つはずです
いま、「無視」「軽蔑」、そして「襲撃」という若者と野宿者との最悪の出会いがあるとすれば、わたしたちが追求したいのは、正しい認識のもとでの若者と野宿者との新しい出会い、新しい関係です。学校教育、社会教育等で野宿・貧困問題に関心を持ち、何らかの教育を必要と考える先生方に、わたしたちのこうした活動へのご協力と共同作業による授業の実施とを呼びかけます。
この授業計画に限らず関心ある方は、上のメール(生田武志宛て)でご連絡ください。


リンク集
野宿者襲撃年表(2022.9.22)
「学校で野宿問題の授業を――「極限の貧困」問題と教育の課題」(「世界」2008年4月号)
  極限の貧困をどう伝えるか(2008年3月29日・反貧困フェスタで の講演資料)
  「いす取りゲーム」と「カフカの階段」の比喩について(野宿問題の授業のための)

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