DAYS                           めったに更新しない(だろう)近況

(文中で、野宿問題の授業に関して「いす取りゲーム」と「カフカの階段」の譬えがどうだ、とよく書いていますが、それについては「極限の貧困をどう伝えるか」を参照してください。)

スパムメールを毎日多数削除してますが、間違って知り合いや用事のメールも削除してしまうかもしれません。「返事があって当然なのに、1週間しても返信がないな〜」というときは、(その可能性があるので)お知らせ下さい。



2009/1/9 釜ヶ崎の越冬闘争・読売新聞「顔」など

釜ヶ崎の越冬は続いている。ぼくも西成公園での1月1日のもちつき大会の他、釜ヶ崎の中での夜回り、三角公園の集会での医療問題の解説、越冬にきた高校生へのレクチャーなどに出ているが、今年もやはり(というのは毎年のことなので)越冬中の死者が出て、みんなショックを受けている。2日夜、萩ノ茶屋小学校の横で亡くなっていた。前の日に夜回りで渡した毛布とキャップをかぶっておられたという。
1月3日「日刊えっとう」の「1/2パトロールのほうこく」ではこうある。

1月2日、昨日の夕方、萩ノ茶屋小学校の角で、野宿の仲間が亡くなった。警察が来ていた。救急車を呼んだのに、なかなか来なくて、労働者が警察に抗議していた。向かいに、毛布とリュックが置いてありました。パトロールでわたした毛布と、毛糸の帽子でした。mさんがゆきあい、その人の顔をさわって、手を握りました。まだぬくもりがありました。残念です。パトロールのとき、みんなで黙とうをしました。

釜ヶ崎では、野宿を強いられる日雇労働者を対象に、大阪市が南港に臨時宿泊所を作っている。今年の宿泊者は、昨年を120名以上超える1334名に及んだ。この宿泊所は1月5日早朝までで、その時点で全員が出され、その多くが野宿を始める。
東京では、「派遣村」という形で、野宿を強いられた元派遣労働者のための「テント村」が作られ、釜ヶ崎や各地の越冬と同様、炊き出しや生活相談、越冬まつりなどが行なわれた。派遣村は、派遣労働者の解雇問題が大きく報道されたこともあって社会的な注目を集め、国会議員が多数やってきて支援を約束し、厚生労働省も講堂を開放して寝場所を確保した。
「派遣村」の活動は素晴らしいものだった。この取り組みがマスコミや行政を大きく動かしたことは間違いない。
しかし、同様の活動が延々と続いている釜ヶ崎の越冬には国会議員など来ないし、ほとんど報道されることもない。
これはあくまで「かりに」の話だが、「派遣村」の中で死者が出るようなことがあれば、企業と行政によって死に追いやられた実例として、おそらく社会的に大きな問題になっていただろう(不謹慎な仮定だが)。しかし、その一方で、釜ヶ崎で路上で死者が出ても、ほとんど報道されることすらない。
また、5日朝、南港臨時宿泊所から出され、1334人の多くは再び野宿を強いられたのだが、そのことも問題にされない。
不安定就労問題と貧困への取り組みは、当然、釜ヶ崎の野宿者をはじめ、野宿を強いられるすべての人に対して、トータルに行なわれるべきだろう。しかし、「日雇い派遣の禁止」問題がそうであるように、寄せ場の日雇労働者、野宿者は、いつものように「ないもの」にされている。

↓医療センター前でのふとん敷きの様子



12月31日の読売新聞の「顔」に出ています。「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」などの活動について。写真は12月19日・寝屋川市立成美小学校での授業のときのもの。(ときどき聞かれるけど、自分で原稿を書かない限り、こういう取材ではギャラは全然出ないです。)


フリーペーパー「WB」(「早稲田文学」)に連載コラム「プアプア批評」の第10回を載せています。今回は、西成高校での藤原和博氏の「ホームレス問題の授業」について。
(連載タイトルは鈴木志郎康の「プアプア詩」に倣いました。かつて、「これはおもしろいなあ」と読んだもんです。ただし、ぼくの「プア」は「poor」のことですが。)
書店で普通に売ってないので、頒布場所を見てください。


2008/12/28 朝日新聞「耕論」・今日から釜ヶ崎は越冬闘争

今朝の朝日新聞の「耕論」で、雇用悪化問題について話しています。(東京版・
大阪版)。
22日に(ジャンジャン横町の喫茶店で)取材を受け、記者が文章にまとめてくださったものです。(すでにアップされてました)。

今回の(おそらく)10万人以上におよぶ解雇の嵐には心が痛む。そして、これはバブル崩壊時に釜ヶ崎や山谷の日雇労働者が一気に総失業、総野宿になった事態の拡大した再現のように見える。
『ルポ 最底辺 不安定就労と野宿』(2007)では、こう書いた。
「不況になっても正社員層は労働条件がそれほど悪化したわけではなく、影響をもろに受けたのはまず日雇労働者だった。(…)一言でいえば、この時期以降、日雇労働者総体が「使い捨て」の対象になっていた。
 しかも、労働条件が「徐々に悪化する」のならまだいいが、日雇労働者は「たちまち失業して収入がゼロ」に近づき、野宿に至っていた。現在、一部の経済学者や政治家は、フリーターなどの不安定就労問題・所得格差問題について「経済成長が格差解消の最良の対策」「したがって不安定雇用の使用は合理的」と言っているが、こうした見解は、景気循環や雇用形態の変動で不安定就労者の受けるリスクについてあまりに無理解な「おとぎ話」である。」

そして、まさにこの通りに事態は動いてしまった。
以前から「日雇労働者がリハーサルし、フリーター(をはじめとする不安定就労者)が本番をやっている」、野宿問題についても「フリーター(をはじめとする不安定就労者)が本番を迎えるだろう」と言ってきたが、「100年に一度」(経済学者が、「私が生きてる間に見られるとは思ってなかった」とか、のんきなことを言っているが)と言われる世界的な不況によって、恐るべき「本番」が一気に来てしまったのかもしれない。
大阪では、まだ野宿者数の増大はあまり見られていない。しかし、すでに東京、名古屋では激増している。この事態を受けて、17年前のことを考え合わせながら、最も有効な対策を作り出していかなければならないだろう。

▼18日、毎日放送(ラジオ)の「MBSニュースレーダー」で、派遣問題について15分ほどしゃべりました(生放送)。思ってることをバンバン言っときました。
終了後、報道部の担当の方から「つかえが取れてすっきりしました」と言っていただきました。

▼「月報司法書士」12月号に、「貧困を探る〜釜ヶ崎から〜」第3回の「貧困の教育・教育の貧困」を書いてます。

▼釜ヶ崎は今日から越冬闘争に入ります。
以下、ゆうべの夜回りで配ったビラから。

今年も、釜ヶ崎で越冬闘争が行なわれます。
今年のテーマは「今こそ安心して働き、生活ができる釜ヶ崎を! 野宿しなくてもいい仕事を!」。
12月28日、6時から三角公園で「越冬突入集会」を行ない、映画を上映、
この日から1月5日夜まで、連日、布団敷き、炊き出し、夜10時からの医療パトロールが行なわれます。8日朝に終了です。
12月30日から1月3日までは、三角公園で「越冬まつり」が行なわれ、様々な音楽演奏、講談、もちつき、ソフトボールなどが行なわれます。
また、裏面にあるように、29日と30日、南港臨時宿泊所の受け付けがあります。
大阪市が示した入所条件の「40歳以上」については、「年齢で分ける意味がない」「若い人がどんどん野宿になっているのに、年齢制限はおかしい」 として、去年から野宿者ネットワークなど幾つかの団体で抗議、交渉を続けましたが、今年もやはり「原則40歳以上」と年齢制限がおかれています。
しかし、40歳以下の人も、生活に困っていればどんどん相談に行って、「対策を示せ、臨時宿泊所に入れろ」と要求していきましょう。行政は、生活保護法に従って、「無差別平等」にすべての生活困窮者に対して対策を出すべきだからです。
派遣労働者を始め、10万人におよぶ労働者が首を切られ、かなりの数が住むところを失い、野宿に至っています。すでに、東京、名古屋では夏の1.5倍の人数が野宿をしています。
大阪ではまだその影響が目立っていませんが、年明け以降、野宿寸前の貧困層が一気に野宿になる可能性はかなり高いようです。
越冬がそうであるように、失業して住むところを失った労働者をはじめ、貧困状態にある人々が集まり、助け合い、共闘していきましょう。
そして、行政、企業に対して「労働者の使い捨ては止めろ」「仕事と生活を保障しろ」とその責任を追及していきましょう!

2008/12/6 「大阪ホームレス会議」「第一回ホームレス問題の授業づくりセミナー」など

近頃あまり時間がないので、簡単に報告を。
11月22日は、「大阪ホームレス会議」にコメンテーターで参加。こちらにビッグイシューの報告があります。
下は、ビッグイシューの販売者が中心になってつくるバンドグループ「OHBB(大阪ホームレスビッグバンド)」のライブの模様。
「ホームレス会議」は、販売員のみなさんの体験談、会場からの質問とやりとり、販売員によるバンドの演奏と、3時間近いのに全然時間が足りないぐらいの内容でした。
野宿している人も、ああいう場では「夜回り」とは全然ちがう顔を見せます。そこはいつも「支援者」としては考えさせられるところです。
このあと、みんなでハードロックカフェに移って懇親会。会議も懇親会も参加者には20代くらいの人が多く、そこは将来が頼もしいです。(ここでお会いした学校の先生に授業の話をいただいたりしました)。



▼11月24日は東京都豊島区の区立生活産業プラザで、「ホームレス問題の授業づくり全国ネット」主催による「第一回ホームレス問題の授業づくりセミナー」。(下はその一場面)
野宿者ネットワークで野宿者問題のセミナーを何度かしてきたけど、今回ははるかに大きなネットワークで充実した内容を展開できました。
参加者の感想を読んでも、内容についてほとんど「とてもよかった」「来てよかった」というもので、素晴らしい第1回になったと感じています。
これについては、詳しく書いていくとキリがない。近々、「全国ネット」のホームページでなどで詳しい報告を出す予定です。



▼「日本経済新聞」11月30日の朝刊に、「社会人」連載でインタビューが載ってます。記者の方が、大阪ホームレス会議の前日と前々日、釜ヶ崎と天王寺のYMCA学院高校の授業に取材に来られました。

▼「月報司法書士」11月号に、「貧困を探る〜釜ヶ崎から〜」第2回の「野宿者の住民票」を書いてます。


2008/11/26 「フリーターズフリー」2号、ついに完成



ついに届きました、「フリーターズフリー」2号!創刊号から1年半かかってしまいました。
組合員として参加し、出資、執筆、編集、テープ起こし、会計、販売など全てしている有限責任事業組合「フリーターズフリー」からの発行です。
ホームページから通販を開始しています。12月から書店でも販売されます。
しかし、手売りが一番ありがたいです。通販では郵送費が、書店販売では流通過程で何段階もの「中抜き」が生じますので。
創刊号は個人で今まで320冊手売りしました。2号もよろしくお願いします!

「フリーターズフリー」2号
特集・女性の労働、女性的労働――そしてNFO(Non-Family Organization)
巻頭言「フリーターズフリー ふたたび」
【特集I】女性の労働、女性的労働――そしてNFO(Non-Family Organization)
○巻頭セッション 労働と家族を問う 国澤静子×白崎朝子×村上潔×生田武志×大澤信亮×栗田隆子×杉田俊介
かっこいいおんなたち 松元千枝
○女性と貧困ネットワーク 栗田隆子
○きちんと食べていける働き方へ ワーカーズ・コレクティブ座談会
○共に暮らすということ メルセス宣教修道女会第四修道院 聞き手=栗田隆子
○協同労働と書籍流通のオルタナティブのために ワーカーズコープアスラン座談会
○突撃母ちゃんのサバイバル道場 増山麗奈
○「ふ」 栗田隆子

【特集II】性暴力
○「モテないという意識」を哲学する 森岡正博
○「レイプされたい」という性的ファンタジーについて 小松原織香
○触発する悪──男性暴力×女性暴力 大澤信亮
○性暴力についてのノート 杉田俊介
○引きこもりと労働 グッドウィルユニオン/ニュースタート 梶屋大輔 聞き手=生田武志

【特集III】釜ヶ崎から世界へ
○釜ヶ崎で警察に対する抗議活動が暴動に発展 生田武志
○極限の貧困をどう伝えるか 生田武志
○自律への希望(前編) 綱島洋之

定価:1365円 (本体価格1300円+税65円)
サイズ:四六判並製 248ページ 

「福音と世界」12月号に「釜ヶ崎からのメッセージ」を載せています。6月3日に蒲田教会で行なった講演記録です。


2008/11/11 秋田・「フリーターズフリー」・中日新聞

8日、9日は「全国クレサラ・商工ローン・ヤミ金被害者交流集会in秋田」で秋田県へ。
8日は分科会「これからの自殺対策」に参加。NPO「ライフリンク」代表の清水さん、「多重債務による自死をなする会」代表幹事の弘中さん、NPO「自死遺族支援ネットワーク」代表の山口さん、内閣府自殺対策推進室参事官の加藤さん、秋田大医学部長で自殺予防に取り組む本橋さんなどなどのパネラーで「これからの自殺対策」「貧困と自殺防止―貧困がなくなれば自殺防止は実現するのか?」を4時間にわたって討議。
9日の全体会では「わたしたちは1人ではない―多重債務と貧困、ヤミ金そして自殺をなくそう」と題したパネル討論。反貧困ネットワーク代表の宇都宮健児さん、秋田大医学部長の本橋豊さん、ぼくとで2時間の討議(河北新報で報道されてます)。
終了後、控え室で本橋さんが「自分で参加したものについて言うのも変ですが、今日の討論は内容があったと思います」と言われてましたが、それぞれの立場から貧困と多重債務、自殺の問題について様々な論点を展開できたと思います。
8日の自殺の分科会でも9日のパネルディスカッションでも、「関係の貧困」について議論がかなりされました。(8日に秋田魁新報の方に取材された際も(12日に簡単なインタビューが載る予定)「関係の貧困」についていろいろ聞かれました)。「経済の貧困」と「関係の貧困」についてはここで触れているけど、近ごろ言及される事が多く、もう少しこの概念を丁寧に詰めておくべきかなあと思います。
ディスカッションの中でも、例えば「生存権裁判で問われているもの」「秋田県では、こどもや孫と一緒に暮らす高齢者より、一人暮らしで仕事も家事も一人でこなす高齢者の方が元気」という点について触れましたが、「関係の貧困」は「経済の貧困」と無関係に語ることができないし、また「物理的に家族と一緒に暮らす」ことで解消されるものでもありません。ではどういうものか、という点について、詳細に説明しないとなあ、と思いました。
そのあとは、秋田県の「生活と健康を守る会」連合会会長の鈴木さんに、集会実行委員長の虻川弁護士のご紹介で、ご一緒に秋田の貧困問題についてお話しをうかがってきました。
NHKスペシャル「ワーキングプア」第一回で放送された様々なケースのうち3つが秋田の人だったけど、その人たちは鈴木さんの紹介だったということです。それで、その方々のいまの様子や、秋田の問題のここ30年の変遷についてお聞きできました。
鈴木さんの事務所でポスターを見たら、この9日の午後は、秋田大学で雨宮処凜さんの講演会があるという。4時頃に秋田駅に着いたので、歩いて20分という秋田大学に行って挨拶していこうかなーと思ったけど、4時50分のバスに乗らないと飛行機に乗れなくなるので、あきらめて駅前でうどんを食べてバスに乗りました。
しかし、秋田に行くのは生まれて初めてなのに、空港と会場以外、どこにも行けなかった…

▼「フリーターズフリー」が、NHK教育の「福祉ネットワーク」で取り上げられます。以下の放送(予定)。
「働くこと問い直そう(第1回) 発信を始めた非正規雇用者たち」 2008年11月12日(水)20:00〜20:29 教育テレビ・全国放送(再放送 19日(水)13:20〜13:49 教育テレビ・全国放送)
ぼくもちょっとだけ出る予定。

▼中日新聞・東京新聞など10月17日の夕刊「あの人に迫る」のコーナーでインタビューが出てます(でけー顔写真…)。ぼくも最近読みました。


2008/11/4 つくば市・熊本市での近況

「フリーターズフリー」2号の追い込みが続いてます。討議のチェック、圧縮、校正、会議、再校正などなど。そして11月末、発売予定!
創刊号もついに1000部増刷。うちにも200冊届きました。

10月26日につくば市で「釜ヶ崎暴動とわたしたちの労働問題」、そのあと埼玉で「フリーターズフリー」の会議、次の日、埼玉で「首都圏美容師ユニオン」の柳勝也さんのお話しを聞き、その後、こどものための炊き出しを行なった福生市の武蔵野台児童館でこどもの話をお聞きしてきました。
柳勝也さんの美容室Ash(アッシュ)での労働実態は想像を絶するもので、聞いていて驚きっぱなしでした。武蔵野台児童館での話も、釜ヶ崎のこどもの問題と重なる事が多かったです。しかし、こどもたちはすごく元気でした!

11月1日は熊本で「襲撃と授業」についての講演会。(「岡山県の生田武志さん」となってるけど、実家が岡山で、住所は20年間、大阪市西成区ですよ…)
前日には東海大学付属第二高校(熊本市)で授業、夜は夜回り(おにぎり配り)でした。
今週の土日は秋田に行きます。「フリーターズフリー」の追い込みもあって、ヒマなしです。

月報 司法書士」10月号に「貧困を探る〜釜ヶ崎から〜」という連載を始めています。第1回は「日本の縮図」。全6回の予定。


2008/10/23 近畿大学・釜ヶ崎フィールドワーク・人民新聞

あいかわらず、「フリーターズフリー」2号の追い込みで緊急以外のことは何もできないです。10月いっぱいはこの調子か。


21日は近畿大学で中島一夫さんとの特別授業・「「釜ヶ崎」化する社会」。中島さんと受け答えする形での1時間半。
最初に釜ヶ崎のビデオを見てもらって、釜ヶ崎や野宿者問題に関わる様々な話をする。内容については、学生の一人がブログで報告してます。
大学にたまに呼ばれて話をするけど、今回は対談形式。中島さんも言われてましたが、お互い同じ年に文芸誌の評論新人賞で出てきて、文章は読んでいる(中島さんから、『収容所文学論』が出たとき贈っていただきました)。
というわけで、授業のあとは共通の知り合いの評論家などについて話したりしました。


10月17日は、東京の私立高校2年生17人対象に釜ヶ崎のフィールドワークと1時間の授業。
生徒への釜ヶ崎フィールドワークは久しぶり。歩いていると、道路で寝ている労働者多数、路上の露店、監視カメラ、ドヤ、テントと日本と思えない光景に東京の生徒たちは度肝を抜かれていました。
いつものように「どこから来たんや?」「遊びに来たんか?」「ワシは西成で30年前になあ…(以下略)」といきなり話しかけてくるおっちゃんたちに受け答えして、タカラで昼を食べて、1時間ほどレクチャーして、ついでに通天閣を見に一緒に新世界に行きました。
学校関係者のみなさん、こんな感じの釜ヶ崎研修をよろしくお願いします。


先週出た「人民新聞」1325号にインタビューが載ってます。
「今後の反貧困運動について」というテーマ(新聞が部屋のどこかへ行って正確なタイトルがわからない…)。こどもの貧困問題とか、「経済の貧困」と「関係の貧困」のこととか話しています。


2008/10/20 小学校での「野宿者問題の授業」


↑休み時間にはまださんのところに押し寄せていろいろ質問するこどもたち
(プライバシー保護の関係で児童の顔を消してますが…)

今日はビッグイシューを売っておられる販売員の方と大阪市の小学校で「野宿者問題の授業」。
この授業の前に、担当の先生が「アルミ缶集めの様子」「カマやんの4コマ」などを使った事前学習をして、直前には「ガード下の犬ラン」の紙芝居をこどもたちに見せている。その上での、45分×2の授業。
販売員のはまださんとは打ち合わせをして、ぼくが「以前はどんな仕事をしていたのですか」「野宿になった理由は」「ビッグイシューはどんな人が買うのか」といった質問をして答えていただくという形にした。
はまださんは、梅田の売り場から直行されて、ビッグイシューの販売道具(手書きの看板など)を持った背広姿。こどもたちは、背広姿で「おや?」と思ったかもしれない。
まず、ぼくから「野宿している人を見たことある人は?」「はーい(全員)」、「テントを見たことある人」「はーい(3分の1)」といろいろ聞いてから、「野宿している人の多くは仕事をしてますが、今日はビッグイシューを売る仕事をしている人にお話しを聞きます」と話を持っていく。
はまださんはなにしろ以前は公立図書館の司書などをされていた方なので、しゃべりがしゃっきりしていて、てきぱきと答えていく。そのやりとりのあと、こどもたちからいろんな質問がやってくる。「立って売っていると足が痛くなりませんか」「どんなものを食べていたんですか」「今どこで寝てるんですか」。
そのあと、休憩時間には、上の写真にあるようにこどもたちがはまださんのところに押し寄せていろいろ聞きまくっていた。はまださんも「こんなんだよー」とビッグイシューを見せたり説明していた。
2時間目は、ぼくから野宿者問題のいろいろについて話をし(アルミ缶集め、ダンボール集め、犬や猫と暮らす人、襲撃のこと)、こどもの里の「こども夜回り」のビデオを見てもらう。
今回は小学生ということで、今まで撮った写真のプリントしたのをいっぱい用意して、「炊き出しというものをしますが、こんな大きな鍋で500人分作って、こんな風によそって、こんな感じで出来上がりです」とか見せていく(「おいしそー!」の合唱が…)。「夜回りはこんな感じで、こんな風に毛布をかけていきます」とか。やはり、ビジュアルがあると小学生は食いつきがよろしいです。
野宿者への偏見ということで、「残念ですが、大人の人の中には『ホームレスはこどもを襲う』と思っている人がいます。『こわい人』と思っているんですね。でも、みんな、はまださんはこわい?」と聞くと、みんな「全然こわくなーい」と言っていた。当たり前のことでも、当事者が来てくれると説得力がまったくちがう。
最後に「カフカの階段」の話。(驚いたことに、小学生から「リストラ」「家族と別れる」「アパートがなくなる」「お金がなくなる」「仕事がなくなる」「借金する」などが出た。「ケガや病気」が出なかったぐらい)。
当たり前の話だが、こうした授業では当事者が主役になる。こどもたちの多くは野宿当事者と話をしたのは初めてだが、そのイメージはすっかり変わってしまっただろう。
考えて見ると、小学校での「野宿者問題の授業」は初めてだった(以前、山王こどもセンターで幼児〜中学生対象の連続学習はやったけど)。高校生になると、話の内容に関係なく最初っからメールを打ってたりするけど、小学生はみんな真剣に話を聞いて質問してくれるのでこちらも新鮮でした。


2008/10/19 反貧困キャラバン大阪集会



反貧困キャラバン大阪集会と御堂筋パレード。ぼくも実行委員会でずっと関わってきました。
10月16日は、反貧困キャラバン大阪集会「垣根を越えてつながろう! in 大阪」
 「現場からの報告」として
・生活保護問題(保護基準)【大生連】
・公営住宅収入基準見直し問題【解放同盟】
・ケースワーカーの労働実態【自治労】
・15日の貝塚集会報告をかねて補足【自治労連】
・母子家庭問題(母子加算廃止、児童扶養手当)【しんぐるまざーずふぉーらむ】
・障がい者問題(応能から応益負担へ、ヘルパー不足)【障大連】
・医療・国保問題(病院の窓口から見た貧困)【民医連】
・非正規雇用問題(不安定労働、ワーキングプア)【派遣ネット関西】
・松下PDP判決【吉岡さん+村田浩治弁護士】
・ホームレス問題【扇町公園で野宿していた人】     

大阪でこれだけの団体が一緒に準備して集会をやったというのは、ほとんど歴史的なことらしい。けど、これだけ現場の話を聞き続けていたら、「世の中どうなっているんだろう」とあらためて驚いてしまいますよ。
このあと、総括講演として、ぼくが25分ほど話させてもらいました(「拡大する貧困への対抗運動を――経済の貧困と関係の貧困と」)。現場報告が伸びて、時間が予定より7〜8分短くなったので、かなり早口。
10月18日(土)は1時から「反貧困・御堂筋パレード」。難波別院(南御堂)から近鉄難波駅まで、およそ400人が参加して1時間ほどアピールを続けました。釜ヶ崎からも六〇人ほどが参加。
SHINGO☆西成は、パレードでもその後の難波での街宣でもラップをやってまわりから注目されてました。さすがだ。


2008/10/8 「反貧困の学校」など

「フリーターズフリー」2号の追い込みなどで、緊急以外のことは何もできない日々が続いております。
と言いつつ、宮崎駿の『折り返し点』で知った『クラバート』(オトフリート・プロイスラー、「大どろぼうホッツェンプロッツ」の作者)を読んだりしてますが。読み出したらやめられません。


3月29日に東京であった反貧困フェスタの記録『反貧困の学校 貧困をどう伝えるか、どう学ぶか』が出ました。ぼくも書いてます。
第4章の「子どもの貧困」(貧困研究会 子どもの貧困部会)にも注目してます(まだ読んでないけど)。 
なお、この本で使った「カフカの階段・書き込み版」はその後幾つか改訂しているので、言及・使用するときはこちらのものでお願いします。

宇都宮健児・湯浅誠編『反貧困の学校――貧困をどう伝えるか、どう学ぶか』(明石書店)
1500円。
はじめに(宇都宮健児) 
序:海外特派員が見た日本の貧困(水島宏明) 
第一部 貧困のいまを伝える
第1章:究極の貧困をどう伝えるか――経済の貧困と関係の貧困と(生田武志) 
第2章:手・足・そして視力をも失い・このうえ生活保護の扶助費までも(日笠方彦)
第3章:「そうだったのか! 生活保護マニアック講座」(岡部卓、大山小夜)
第二部 再生産される貧困
第4章:子どもの貧困(貧困研究会 子どもの貧困部会) 
第5章:ジェンダーと貧困――DVを中心として(イダヒロユキ、吉祥眞佐緒)
第三部:貧困をどうなくしていくか
第6章:どうすればいいの?税と社会保障(藤原千沙、浦野広明、岡田広行) 
第7章:貧困と労働(高木剛、関根秀一郎、河添誠、竹信三重子) 
おわりに  (湯浅誠)
巻末資料 反貧困フェスタ2008・プログラム・雨宮処凛×廣瀬純対談要旨・参加団体一覧等 



「大阪保険医雑誌」10月号の特集「社会保障を考える――いまそこにある貧困」に、「不安定就労と貧困」という文章を書いてます。釜ヶ崎に関する医療や労災、貧困問題について。


2008/10/3 忘れ物を届けてくれた方、ありがとうございます

9月末に授業や講演で横浜、東京、山梨に出かけていたんだけど、電車の時間割や資料、学校に出す書類を束ねて綴じたものを東京のどこかで落としてしまった。
青くなって捜したけど、もう見つからない。なんとか記憶を頼りに山梨県北杜市の学校まででかけて大阪まで帰って来た。
帰ってしばらくすると、差出し人の書いてない速達が届いた。開けてみると、なくした書類が入っている。住所とかも書いてあったので、拾った方がわざわざ届けてくれたようだ。
どなたかはわかりませんが、どうもありがとうございました。


フリーペーパー「WB」(「早稲田文学」)2008年秋号に連載コラム「プアプア批評」の第9回を載せています。今回は、釜ヶ崎暴動について。さすがに、これに触れないわけにはいきません。
(連載タイトルは鈴木志郎康の「プアプア詩」に倣いました。かつて、「これはおもしろいなあ」と読んだもんです。ただし、ぼくの「プア」は「poor」のことですが。)
書店で普通に売ってないので、頒布場所を見てください。


「消費者情報」No.395(2008年10月号)、多重債務撲滅キャンペーン2 「貧困のニッポン」に「変容する社会と貧困 その仕組みをどう正す」という文章を書いています。釜ヶ崎でのヤミ金融や多重債務の話、2007年に本格化した日本の貧困問題、その構造的背景といった内容です。


雑誌『K8』創刊号でインタビューを受けています。 コンテンツは
1. 毛利嘉孝×萱野稔人対談 
2. 生田武志(野宿者ネットワーク)インタビュー
3. 鈴木孝弥(音楽評論家)×大場俊明(Riddim編集長)×K8 

ついに出ました!編集・発行・インタビュアーの児玉さんには、「フリーターズフリー」のデザインをお願いした戸塚さんの紹介で会いました。インタビューが去年の12月でしたが、いろいろあって発刊まで苦労されたようです。


2008/10/1 藤原和博氏による「ホームレス問題」の授業



(「ホームレス問題の授業づくり全国ネットML」より)
「ホームレス問題を考える」公開授業を実施します。
10月1日(水)午後2時50分〜午後3時40分(予定)
場所 大阪府立西成高校 図書室
 「よのなか」科で有名な元和田中学校長の藤原和博氏を迎え、西成高校の総合学習「CHALLENGE」とのコラボで公開授業を実施します。生田武志さんにもリソースパーソンできてもらいます。
藤原氏の授業のやり方は、生徒6人に2人の大学生や地域の人々をサポーターとしてつけ、生徒間で意見を出し合うのを促します。


というわけで、藤原和博さんの授業に参加してきました。
授業のプリントは、
「ホームレス問題を考える」
1・「ホームレス」のイメージを考えよう。
「ホームレス」と聞いて思いつく言葉を書いてみよう。
「ホームレス」にかかわる実際にあった事件を読んでみよう。

今年の8月30日の夜中の12時〜2時、JR今宮駅のコーナンの裏の公園など3ヶ所で、ホームレスの人たち(野宿者)がおそらく中学生の6人組によりエアガンで襲撃された。被害にあった男性の一人に話を聞くと、襲撃は12時と12時30分の2回。その男性は64歳で脳梗塞の経験があり、いまでも身体にしびれがある。走って逃げることなどできないのに6人にまわりを囲まれ、1〜2メートルの至近距離から20発くらい撃たれたという。顔をおおってさけたが、頭やさらに下から喉もとを狙われ、交番に向かって逃れようとしたが追いかけられて撃たれたという。他の野宿者も、公園脇ガードで寝ていたところ、やはりエアガンで顔に撃たれ、弾の跡が残っている状態だった。さらに、一緒にいた犬までエアガンで連射されたという。
(野宿者ネットワーク報告)

質問 
この報告を読んで、自分の感想にもっとも近いものを選んで記号に○をつけ、選んだ理由を書こう。
ア)この中学生の6人組の行動は、絶対に許せない。
イ)この中学生の6人組の行動は悪いが、気持ちはわからないでみない。
ウ)町をきれいにするためには、ホームレスの人たちしやられてもしかたない。
エ)自分もホームレスの人たちを襲撃したい。

2・社会におけるホームレス問題を考えよう。
ホームレスになっている原因を考えよう。
ディベート(両方の意見を考えて、話し合おう)
ホームレスは道路や公園から追い出すべきである。
賛成の意見 反対の意見

といった感じ。
授業は50分。
藤原さんは、「ポケモンカードはどこの会社が作っているか知ってる?」「(生徒)任天堂!」「惜しい! メディアファクトリーです。ぼくがあの会社を創業しました」「(生徒)おおーっ!」という話からぐんぐん早いテンポで生徒を乗せていく。
「ホームレス問題」だが、「これは道徳の授業じゃないから、思ったことはどんどん言っていい」というスタイル。みんなに自分が持っている「ホームレスのイメージ」(「こわい」「貧乏」とか)を出してもらって、そこから襲撃事件に入っていく。
襲撃事件については、野宿者ネットワークの夜回りで最近聞いた情報を提供した。(藤原さんの原案プリントは、いつのどこの事件かわからないものだったので、「西成高校に近い場所で起こった最近の事件の方がいいだろう」と担当の肥下先生にこれを提案)。
ほとんどの生徒は襲撃について「許せない」だが、「気持ちはわからないでもない」もチラホラ。藤原さんは、生徒たちの書いたものを見ながら、何人かの生徒のところにいって発言させていく。
最も時間をとったのは「ホームレスは道路や公園から追い出すべきである」というテーマのディベート(なお、原案プリントでは「ホームレスは社会から排除すべきである」となっていたが、「社会から排除されたら死ぬしかないから極端な議論になる。具体的に「道路や公園から追い出す」にした方がいい」とぼくから提案した)。
この「よのなか科」の授業のやり方は、4〜5人の生徒のグループ(班)を作り、そこに1〜2人の大学生などに入ってもらい、そのグループ単位でディベートすることにある(藤原さんの言う「友だち関係=水平」でも「親や先生=垂直」でもない「ななめの関係」)。
生徒たちは、自分の意見を書くが、その反対意見も書く。「公園にホームレスがいると、こどもが危ない。こどもが怖がる」という意見が幾つかあった。その上で、グループごとに「ホームレスは道路や公園から追い出すべき」について5〜6分議論する。
ディベートのあと、藤原さんが「ディベートをして自分の意見が変わったという人、いますか?」と聞く。手を挙げた生徒何人かに、「どういう意見を聞いて考えを変えたか」を聞いていく。
このディベートのあと、藤原さんから「今日はゲストが来ています。実際に、この西成高校の横の西成公園で住んでおられるさかもとさんです」という紹介とともに、それまでずっと授業を見ていた、西成公園でテント生活をしているさかもとさんが前に出て、生徒に語り始めた。(ご本人も名字と顔について、マスコミに出すことに承諾された)。
さかもとさんは、中学のときに不登校になり、その後、中卒で働き始めてからのいろいろな苦労について5分〜6分ほどかけて話した。詳しいことはここで書けないが、いろいろな職業で苦しい思いをしたこと、しばらく荒んだ気持ちになって生活していた時期があること、やがて釜ヶ崎で日雇労働を始めたが、体が強くないこともあってとても苦しかったこと、そして日雇労働の仕事もなくなり、アパートを出ざるをえなくなって、阿倍野区民センターで野宿を始め、そこから追い出され、長居公園でテント生活を始めたが、そこも行政代執行で追い出され、とうとう西成公園に来てたことを話した。
さかもとさんは「話すのが下手だから」と授業の前に言っていたが、言いにくいだろうことも含めて自分の経験を誠実にみんなに話し、教室の空気がそれまでとは一変した。藤原氏が授業の後の反省会で言っていたように、「ホンモノにまさるものはない。さかもとさんが話している間、鳥肌が立つように生徒たちが見る眼が変わった」。
その後、ぼくと「西成公園よろず相談所」の伊東さんが支援者としての立場から5分ほど話した。釜ヶ崎に行ってみると、多くの人が仕事に行けないという理由で何百人もが野宿していたこと、路上の死者が多く、何度も死体の第一発見者になったこと、最後に、「公園にホームレスがいるとこどもが危ないという意見がありましたが、実際には野宿している人たちは、こどもから襲われることはいっぱいあっても、逆にこどもを襲うということはほとんど聞いたことがありません」と付け足しておいた。(なお、西成公園からはもう一人当事者に参加のお願いをしていたが、当日昼から晴れてきて、「いままで雨で休んでた露店の準備をしておきたい」ということでキャンセルになった)。
最後に藤原さんは、「ホームレスと聞くと『汚い』『お金がない』といったパターンで認識しがちだ。てだも、実際は一人一人違う「さかもとさん」「鈴木さん」と名前を持ち、生きてきた歴史を背負っている」と言って締めていた。
最後に、授業の感想をみんなで書いて終了。その後はマスコミによる藤原さんや生徒へのインタビュー、そして反省会を行なう。
授業は、非常にテンポのよいもので、生徒の多くも、そしてさかもとさんも「おもしろい授業だった」と言っていた。ゲストに「5分だけ話してもらう」というのが特徴の一つで、藤原氏によれば、「これが最もいい。この長さだと一番いいものを出してくれる」ということだ。50分でやりきるとすれば、確かにこのテンポはいいかもしれない。生徒たちも短時間のディベートなど、盛りだくさんの内容を早いテンポでこなして、全体としてとても活気に満ちていた。
ただ、ここで「野宿者問題の授業」を続けている者として言えば、「襲撃」が5分、「排除」が5分、「当事者」の話が5分というのは本当は無理。それぞれについて、最低30分は必要だろう。理想を言えば、「野宿者のイメージについて話し合う」で10分、「襲撃について聞き、話し合う」で30分、そして実際に働いている野宿者の様子のビデオ10分。2時間目として、「排除について話し合う」「野宿者が生み出される社会構造について」、3時間目で「当事者・支援者に聞く」というのが必要な時間割だと思った(というか、それは自分でやってみようと思った)。
授業のあとの反省会もさかもとさん、伊東さんと一緒に出て、参加者といろいろ話した。
全部終わった帰り道で、さかもとさんは「藤原さんの授業はとてもおもしろかった。」「西成高校と自分たちの住む公園とはフェンス一つで隔てられているだけだが、お互いに何の交流もなかった。こうして西成高校で生徒の前で話せるなんて全然思わなかった。こうして話せてよかった」と言っていた。また、「ヤジとか飛ばされるんじゃないかと覚悟していた」とも言っていたが…
橋下知事によって大阪の教育を変えるために呼ばれたという藤原氏。大阪の教育の行く末を示すものとして、大阪府教委や他校の教員、大学関係者、そして非常に多くのマスコミがこの授業に詰めかけていた。
(写真は、手前がさかもとさん、その奥が藤原さん)。


2008/9/25 オルタ・POSSE・ビッグイシュー5周年記念

隔月刊行の雑誌「オルタ」に、「2008年、釜ヶ崎暴動」という記事を書いてます。写真は國森康弘さん。
雑誌表紙に「特別寄稿」とありますが、もちろん依頼原稿です。


NPO法人「POSSE」が出した「新たなヴィジョンを拓く労働問題総合誌」『POSSE』創刊号でインタビューを受けてます。「釜ヶ崎暴動と日雇い労働」。
暴動の話とともに、現在のフリーター問題、派遣労働問題の源流というべき寄せ場の日雇労働の様々な問題についてやりとりしています。「特集1 派遣労働問題の新段階」の一つ。「POSSE」の方2人と釜ヶ崎をあちこち歩いて、そのあとで喫茶店で話したもの。こうした雑誌で取材を受けるのはありがたいです。


月12日はビッグイシュー5周年記念パーティ。
第1部  対談  「若者と最底辺の今を通して希望を語る」
雨宮処凛(作家)×生田武志(ルポ『最底辺』著者)
第2部  パーティ    飲食をしながらビッグイシュー販売者を中心に参加者の自由な交流
日   時: 2008年9月12日 (金) 18時半〜20時半(18時開場)
場   所: 大阪市中央公会堂  3階  小集会室

雨宮さんとの対談では、雨宮さんは長居公園での野宿者と若者の交流や韓国の非正規雇用の問題などについて、ぼくは釜ヶ崎のことと、こどもの貧困について主に話しました。
その後のパーティではいろんな人に話しかけられて、いろんな情報交換ができてよかったです。しかし、その間、何も食べられなかった…。
でも、後の打ち上げで、ビッグイシュー代表の佐野さん、編集長の水越さんたち、そして雨宮さんと寿司屋に行ってごちそうになりました(^_^)
ビッグイシュー5周年、おめでとうございます!


「近況13」
「近況12」


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