2011年10月13日・長野県大町北高校
全校生徒に90分授業・生徒の感想文


●講演会「貧困と野宿を考えよう」を聞いて(2年)

 私は、今回の講演を聞いて多くの話が自分と思っていたことと違いました。野宿している人達は男の人しか居ないと思っていましたが、二〜三年前では女性が全体の七パーセントを占める割合が居ることを知りました。その他にも、私自身全く思いもしなかった、子供が野宿をしているということです。とても可愛想だと思いました。話を聞いていて強く印象に残った話が二つありました。
 一つ目は、野宿の人に対してボランティアをしている団体があったという事です。話を聞く前は野宿をしている人は自分で責任を持って公園などで寝泊りをしているんだと思っていたけれど、今回の話を聞いて私の思っていた気持ちは変わりました。野宿でなければ生活していけない人達を出しているのは私達自身が作り出しているのではないかと思いました。トレーラーの運転手の話は、一回事故を起こせばリストラという社会がそういう仕組みを作り出してしまっていました。他にも野宿をしている人達はとても心が優しい方ばかりだと思います。私も一度あのボランティアに参加し、多くの人とお話をしてみたいと強く思いました。
 二つ目は、野宿をしている人達への襲撃事件です。生田さんが中高生か多いと聞いた時、正直とても悲しい気持ちなりました。なぜ仕事を必死に探している人達に対し花火を打ちこんだりガソリンをかけ火をつけたりするのか私には全くその気持ちが分かりません。むしろ学生時代の今なら仕事を探す手助けをしたいと私は強く思いました。私もあのボランティア活動に参加することができれば人として大きく心が成長するのではないかと思いました。
 今後、今日の講演会の話を何か自分の行動に変え、生田さんのようにボランティア団体で人助けに出来るよう、自分でも何か積極的に活動出来ればいいなと思いました。


●講演会「貧困と野宿を考えよう」を聞いて(2年)
                  
 僕は、この講演会を聞いて「世の中ってこんなにも残酷な人がいるんだなあ」と思いました。大阪のあいりん地区という所には、たくさんの失業者がいてどの人たちも「仕事をしたいんだけど、働けない」という状態でした。また、多くの正社員の人には「汚らしくて不衛生だ」という大きな偏見があるという事もわかりました。それが子供たちのホームレスいじめ、つまりホームレスの人たちを「社会のゴミ」と決めつけて、放火をしたり、ロケット花火をホームレスの人に向けて発射したり、石をホームレスに投げるという事にもリンクする事も知る事ができました。
 僕も実際にホームレスをこの学校に来る前に何度も見た事があります。それは二年前の中学三年生のころの事でした。僕は、中学校のロードレース大会に向けて自主練習をしていました。東京都の墨田区と台東区の境にある隅田川の近くで走っていると、ホームレスの方たちがブルーテントの中で暮らしている姿が見えました。僕は、毎日そこを走っていたので、たまに話かけられる事もありました。
 その時の自分は「なんかお金をとられそうだなあ」と勝手に思い無視して走っていました。でも、ふと思うと「あの人たちはお金をもらおうと思って話かけたのではなく、だれからも声をかけてもらえないから僕に話かけたんだ」と思い返しました。
 それから僕は、話かけられても気軽に話す事ができました。彼らを「社会のゴミ」という人は、偏見を持った心が幼ない人であり、心がさびしい人間だと思いました。生田さんは、その事を僕たちに教えたかったんだと思いました。


●講演会「貧困と野宿を考えよう」を聞いて(3年)
                   
 ついさっきまでホームレスに対する印象は、正直、「働く気になればいくらでも働く所はあるのに、プライドとかあって働かない人たちだ」と思っていた。しかし、その考えは間違っていて、ホームレスについて真剣に考えさせられた講演会だったと思う。
 様々な場面が印象に残っているが、特に『野宿になるときは段々だけど、もどるときは一段になっている』という言葉です。失業→家がなくなる→お金がなくなる→頼れる人がいなくなる。ホームレスだってある程度ステップがあり、ホームレスにならざるをえない状態になってしまっだと思うと、前に思ったホームレスの印象とはかけ離れていると思った。現在日本のホームレス数は、約2万人と聞いておどろいた。実際にホームレスを見たことがないわけではないが、そんなにいるんだと、悲しくなった。様々な理由があって、ホームレスになるわけだが、子どものホームレスは、あまりにもかわいそうすぎて言葉を失った。何不自由なく今現在まで生活出来ているのは親のおかげで、でもそれは当たり前のことだと思っていた。しかし、彼らの生活は、私とは取り巻く環境が違いすぎて、そんな環境にした社会もいけないと思った。いくら義務教育を終えた高校生でも、一人で生きていくことは、無理だと思った。
 また、ホームレスに対する嫌がらせは、ひどすぎる。同じ人間がやることじゃないと思うし、もっとこの事件についてみんな知るべきだと思った。
  最後に、生田さんは無償であのようなことが出来るなんてすごいと思った。多くの人は、思っていても行動に移せる人って少ないからだ。私も、何か出来ることに、挑戦出来たらと思う。


●講演会「貧困と野宿を考えよう」を聞いて(3年)
                 
 今日の講演会を聞いて、日本にも野宿をする、ホームレスの人が大勢いると知って驚きました。正直なところ、私も今までホームレスの人に対して、あまり良い印象は持っていませんでした。実際にホームレスの人を見たことはなく、テレビとかの映像でしたが、「かわいそう。」という気持ちが心のどこかにありました。そして、そういう人達がどのように生活をしてるのか、ほとんど知りませんでした。日本のホームレスの多くが、一個一円のアルミ缶、一年口六円のダンボールを集めて収入を得ている。それは、とても大変なことだと感じました。また、少しのお金をもらって、一生懸命に生きている人達に暴行を加える若者が、現在の世の中にいるという事実に悲しくなりました。そのほとんどが、自分と同じ高校生や中学生。同年代として、なぜそのようなことをするのか理解できません。そういう暴行を加える加害者は<きっと家も仕事もお金もあって、とても安定した平和な暮らしをしているのだと思います。それは良いことなのに<その生活がどこか物足りなくて、そのストレス晴らしに野宿している人を平気で襲うことをしているではないかと思います。逆に、野宿している人は生きるために必死で、アルミ缶を拾ったり、ダンボールを集めて収入を得ようとしている。理不尽な社会の中で、頑張っているから、人のことを馬鹿にしたりしないのだろうと思います。
行政もそして私達も、野宿している人とそうでない人の壁を壊せるように、できることから始めるべきだと思います。
 講演を聞いて、今日のことを糧として、係として取り組んでいるアジアフ運動に更に力を入れて、取り組みたいと思いました。


●講演会「貧困と野宿を考えよう」を聞いて(2年)

 今回の講演会では様々な事を知ることができました。話を聞くまでは、ホームレスの人達はどうしてこうなったのかとか、ホームレスが若者に襲撃されているという現状など、全く知りませんでした。私も今までホームレスを見るとこわくてつい目をそむけたりという感じでした。しかし今回話を聞いたりビデオを観たりしたら、とても印象が変わりました。
 当たり前だけど、ホームレスの人達も私達と同じ人間なんだ、きちんとした人権もあるし生活していかなければならない権利もあるんだ、と再確認しました。また、ホームレスの人達にエアガンを当てたり火をつけたりしている実態を知りました。そのやっている人達はちょうど私達と同年代の中高生でした。勉強や日頃のストレスかは知らないけれど、何にしても聞いてすごく悲しかったです。遊びではなく本気で殺そうとしている人がいる、と聞いてどうしてそんな事をするのかすごく気になりました。とても嫌でした。でも一番いけないのはその子を育てた親です。負の連鎖にならなければいいと思います。真実を知ることが何よりも大事だと思いました。私も今日沢山のホームレスの人達の事を知ることができたので、変な偏見のまま社会に出なくて本当に良かったと思いました。もっと沢山の人達に、ホ−ムしスの実態を伝えたほうが良いと思いました。
 そしてもう一つ心に残った事は、若い子供達のホームレスです。親が借金をして子供は捨てられて、とても切なくて胸が苦しくなりました。絶対に耐えられないと思いました。愛を与えられなかった造田という人は殺人を起こしました。家があっても本当の家族、友達がない人はホームレスヘの襲撃を起こしました。家族や周りの人達の愛、というものはとても大切なもので、すごく大事なものだと分かりました。

●講演会「貧困と野宿を考えよう」を聞いて(1年)

 私は、東京で野宿をしている人を見たことがあります。「近づきにくい人々」が、年少時の印象でした。
 あまり関心もなかったため、深く考えたことはありません。けれど、今回の講演を聞いて感じ考えたことは沢山あります。
 まず、この講演を聞いて見方が変わりました。自分の知らない所では、こんなにも苦しい思いをしている人々が居て、それでも精一杯生きている姿にドキリとしました。そういう人々に対しての、偏見、中高生のひどすぎる罪。同じ人間として「どうなのだろう?」と心苦しく感じました。
 あるテレビ番組でも、世界の野宿者についてやっていたのを見たし、実際に海外ヘボランティアをしに行ってその情景を見ましたが、第3者の目としてとらえた時に大きく見えるものは、やはり社会の格差です。
 今、アメリカやヨーロッパなど今まで大きな成長をしてきた国々が急落してきて、多くの若者が野宿しています。ボランティアで行ったインドでも、小さい子供から大人まで苦しい生活を送っていたことを思い出しました。
 テレビの中で見る世界はとても華やかだとしても、その裏または見えない所では、多くの人々が今日も仕事を探し野宿しているのでしょう。
 未来を作る若者の不安は、とても大きいけれどこのような現実を少しでも無くしていけるよう努力すべきだし、社会的偏見を無くす事をまず自分から、そして大人もしなければならないと思います。

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