穴沢代表のあいさつ


 野宿者ネットワークも結成以来、あと4ヵ月で満6年になります。釜ヶ崎の運動の中で野宿者ネットワークも定着してきているし、賛助会員も少しずつではあるが増えてきています。
大阪市内だけでも1万5000人以上といわれる野宿労働者数の中で、国、自治体行政もようやく重い腰をあげて対策に着手してきました。
 しかし、これだけ未曾有の野宿労働者数の中で、今になっての行政の対策も対症療法の感があります。そのためか思うように進んでいません。例えば、シェルター、自立支援センターの現状でいえば、職安ルートの就職が進んでいないうえに出口問題でも頓挫しています。
 最初から寄せ場の日雇労働者の行く末をきちんと考えてやっていればこれほどひどい状態にはならなかったと思うが、人としての労働者とまともに向き合わなかったツケが今きています。とりあえず、曲がりなりにも野宿者対策は動き出しているが、その中身が本当に労働者のことを考えてやられているのかと.いうことを、こちら側も厳しく点検しながら野宿者対策をやらせていかなければなりません。
 今年は西成公園でもシェルター(「仮設一時避難所」)建設が行われるようです。「公園適正化」「地域住民対策」を基盤においたシェルターなのか、本当に労働者の野宿解消に向けた対策としてのシェルターなのかで、やり方とか公園労働者の扱い方が違ってきます。西成公園の仲間とは野宿者ネットワークの前身から含めて7年から8年ぐらいの付き合いです。付き合う中で多くのことをわれわれは学ばせてもらいました。これまで、公園からの強制排除攻撃に対しては、公園の仲間とともに一緒に闘ってきました。
今年は正念場といえます。これまでそうしてきたように、一人たりとも不利な状態にしてはならないという決意で臨んでいきたい。それが、関わってきたもの、あるいは関わらせてもらってきたものの最低限の責任であると思います。
 また、西成公園の状況が動き出したときにはお知らせします。賛助会員のみなさんもぜひ今までに変わらぬご支援をお願いします。我々も、最後まで責任を持ってやっていかなければならないと思っています。