福祉相談、寄り合い、訪問活動

野宿者ネットワークは野宿生活後、生活保護で病院やアパートに入った人たちへの支援活動として、訪問活動、随時の相談、月一回の寄り合い活動を行なっている。
 寄り合いは、ふるさとの家で基本的に毎月第1日曜日に行なっている。会費制で、当事者は300円、支援者は500円を出し、簡単な食事やゲームなどを行なっている。寄り合いの参加人数は少ないが、固定メンバーになっており、定期的に顔を合わせ<近況を確認する場となっている。外出する形の寄り合いもあり、10月に天王寺動物園に遠足、11月に山王こどもセンターのこどものまつり、4月8日には大阪城公園のお花見に行った。
 居宅訪問については、一つの訪問先に対して、月に数回行くこともあれば、必要に応じて、数ヶ月に1回のペースで関わっているケースもある。一方、一人の支援者が複数の訪問先に行っていることもあれば、1〜2ヶ月に1回、訪問活動に参加する支援者もあり、それぞれの気持ちに合わせて関わってもらっている。
 この活動への支援者の獲得のため、夜回り参加者に対して呼びかけのビラを配り、(20111年6月以降では)新しく3人の方が活動に参加された。訪問は時間と手間のかかる活動で、継続的に関わる支援者にはかなり精神的負担がかかるため、数多くの人が役割分担して関わることが望ましい。
 現在、野宿者ネットワークが関わっている人は生活保護受給者は約20人。その相談内容はプライバシーに直接関わるものであるため、いままで全く公開していない。相談内容は、個々人によって全く異なり、一般化することもできない。主な問題としては、「知的障がい、発達障害、統合失調症、鬱などの病気」「身体の病気」「孤立」「生きがいの喪失」「依存症」「金銭管理の困難」「ヤミ金などへの借金」「就職困難」「対人関係の困難」などがある。サラ金業者から追い込みをかけられた、アパートの住人と揉めて包丁で脅された、自殺を試みた、生活保護費を使い果たしてしまった、部屋から出て野宿に戻った、などの相談もたびたび入る。そのたびに訪問し、場合によっては医師や司法書士、弁護士、役所のケースワーカーや精神保健福祉相談員と連携しながら問題の解決にあたっている。しかし、相談を続けてもアパートから野宿に戻る人もたびたびあり、事実上、生活が破綻してしまう人もいる。どの程度関わっていくべきなのか、悩みながらの活動が続いている。


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